中古車は新車より本当に安いのか

最終更新: 2026年8月21日

同じ車種で、新車320万円と3年落ちの中古車230万円が並んでいる。価格差は90万円です。 ところが5年間の総額で比べると、差は68.5万円まで縮みます(後述の条件での計算)。 中古車が高くつくという話ではありません。価格差のうち2割強は、購入後に少しずつ戻っていく—— その戻り分がどこから出てくるのかを、表で分解していきます。

比べる条件(この記事の前提)

試算の前提を先に置きます。金額はすべてこの条件での計算結果です。

新車3年落ちの中古車
車両価格(諸費用込みの支払総額)320万円230万円
頭金0円0円
ローン年2.5%・5年(60回)年4.5%・5年(60回)
維持費(月)22,500円25,000円

維持費22,500円は当サイトの参考値です(ガソリン9,000円+任意保険5,500円+自動車税の月割3,000円+車検・消耗品の月割5,000円、駐車場代は別)。 中古車側の25,000円は、年式が進んだぶんの消耗品交換・整備を月2,500円ぶん上乗せした当サイトの参考値で、実際の整備費は車両の状態と車種で大きく変わります。 ローン金利は、中古車向けのほうが新車向けより高めに設定されることが多いという前提で2%の差をつけた仮定値です。実際の適用金利は見積もりでご確認ください。

5年間の総額を並べる

新車320万円中古車230万円差
月々のローン約56,800円約42,900円約13,900円
ローン支払総額(5年)約340.7万円約257.3万円83.4万円
うち利息約20.7万円約27.3万円△6.5万円
維持費(5年分)135.0万円150.0万円△15.0万円
5年の総コスト約475.7万円約407.3万円68.5万円
毎月の車費(ローン+維持費)約79,300円約67,900円約11,400円

中古車のほうが5年で約68.5万円、毎月で約1.1万円軽いという結果です。 中古車が安いことに変わりはありません。ただし入口の価格差90万円は、そのままの形では残りません。

縮んだ21.5万円の内訳

90万円と68.5万円の差、21.5万円は次の2つに分かれます。

90万円 − 6.5万円 − 15.0万円 = 68.5万円。これが総額差の正体です。

金利差が効く理由(同じ金利で借りられたら)

利息が逆転したのは、借入額の差より金利差のほうが効いたためです。 同じ230万円を年2.5%で借りられた場合と比べると、こうなります。

230万円・5年年2.5%年4.5%
月々約40,800円約42,900円
利息約14.9万円約27.3万円

金利が2%違うだけで、利息は12.4万円増えます。月々では約2,100円の差なので見過ごしやすい部分です。 中古車を検討する時は、車両価格と同じ熱量で適用金利を見積書で確認しておくと、総額の見え方が変わります。 金利の影響を実感したい場合は、頭金の効き方を扱った車の頭金はいくらが妥当かもあわせてどうぞ。

表に入れなかった3つの要素

1. 5年後の下取り額

5年後、新車で買った側は5年落ち、中古車で買った側は8年落ちになります。 一般に年式が新しいほうが下取り額は高くなりやすいため、手放す時まで含めると差はさらに縮む方向に働きます。 ただし残価は車種・グレード・相場の変動に左右され、仮定を置くと結果が動きすぎるため、この試算には含めていません。

2. 車検のタイミング

自家用乗用車の車検の有効期間は、初回が3年、2回目以降が2年です(国土交通省「自動車検査・登録ガイド」2026-08-21確認)。 新車で買うと3年目まで車検がなく、車検2年付きの中古車を買うと2年目に最初の車検が来ます。 5年で見ると回数そのものは大きく変わらないことが多いため、差が出るのは回数より1回あたりの整備費のほうです。

3. 年式で変わる税金

自動車重量税や自動車税には、新車登録からの経過年数によって負担が変わる区分があります。 年式の古い中古車を長く乗る場合は、途中でこの区分に入る可能性があります。 自分の車の次回の重量税額は、国土交通省の「次回自動車重量税額照会サービス」で車台番号から確認できます(2026-08-21確認)。 税額の目安は車の維持費はクラスでいくら違う?でクラス別に整理しています。

比べる時に見る数字の順番

  1. 車両価格ではなく、支払総額(諸費用込み)で並べる —— 中古車は登録費用・整備費用の扱いが販売店ごとに違うため、見積書の総額欄で揃えます
  2. 適用金利を確認して、5年の利息まで出す —— 月々ではなく利息の実額で比べると、金利差の重さが見えます
  3. 維持費を上乗せして「毎月の車費」にする —— 家計に効くのはローン単体ではなく、ローン+維持費の合計です
  4. その毎月の車費で、貯蓄がいくら残るかを見る —— ここまで来て初めて、生活が回るかどうかの判断材料が揃います

今回の条件では、新車と中古車の毎月の車費の差は約1.1万円でした。 この1.1万円を「安いほうを選ぶ理由」と見るか、「新車の保証と新しさに払う額」と見るかは、家計の余裕しだいです。 数字はどちらかを選ばせるためのものではなく、その判断を自分の家計の言葉に翻訳するための材料です。

このサイトのツール

車両価格と金利を入れ替えるだけで、毎月の車費と購入後に残る貯蓄額を新車・中古車それぞれで比べられます。

家計インパクト診断で2つの条件を比べる(無料)
本記事の金額は、記載の条件(車両価格・金利・期間・当サイトの維持費参考値)にもとづく簡易計算による目安です。実際の金利・整備費・税額・下取り額は、車両の状態、販売店、契約内容、時期により異なります。購入の可否を判定するものではありません。契約前に見積書と契約書面でご確認ください。