残価設定ローンのデメリット
最終更新: 2026年8月6日
「月々2万円台でアルファードに乗れる」——残価設定ローン(残クレ)の広告は魅力的です。 仕組み自体は正当な商品で、合う人もいます。ただし月々が安く見える理由を知らずに契約すると、 5年後に想定外の請求で後悔しがちです。デメリットを先に知っておきましょう。
仕組み: 「残価」を最後に残しているだけ
残価設定ローンは、5年後の下取り想定額(残価)を差し引いた分だけを月々で払う仕組みです。 例えば350万円の車で残価が140万円なら、月々の支払いは残りの210万円分が中心になります。 車両価格が安くなったわけではなく、支払いを後ろに残しているだけです。
デメリット1: 利息は「残価部分にも」かかる
見落としやすいのがここです。月々の支払いからは残価分が除かれますが、利息は残価を含めた借入全体にかかり続けます。 計算例(350万円・残価140万円・年4.5%・5年):
| 残価設定ローン | 通常ローン | |
|---|---|---|
| 月々の支払い | 約44,400円 | 約65,300円 |
| 5年間の支払額 | 約266万円 | 約392万円(完済) |
| 5年後 | 残価140万円が残る | 車は自分のもの |
| 最後に買い取る場合の総額 | 約406万円+再ローンの利息 | 約392万円 |
月々は約2.1万円安く見えますが、最後に買い取ると総支払額はむしろ高くなります。
デメリット2: 走行距離と傷の制限がある
残価は「その状態で返ってくること」を前提にした金額です。 多くの契約に走行距離の上限(月1,000〜1,500km程度が一般的)があり、超過分や大きな傷は返却時に精算を求められます。 長距離通勤や子育てでの使い倒しには不向きです。
デメリット3: 5年後の選択肢がどれも軽くない
5年後には次の3つから選ぶことになります。
- 返却する —— 手元に車は残らず、次の車の頭金にもなりません
- 買い取る —— 残価140万円を一括、または再ローン(また利息がかかります)
- 乗り換える —— 同じ仕組みの繰り返しで、支払いが終わらない状態になりがちです
向いている人・向いていない人
数年おきに必ず新車に乗り換えたい人・距離を乗らない人には合理的な選択になり得ます。 一方、長く乗ってトータルを安くしたい人・距離を乗る人には不利になりやすい仕組みです。
本記事の計算例は簡易計算による目安です。実際の残価率・金利・精算条件は販売店・契約により異なります。契約前に必ず見積書と約款でご確認ください。