カーリースと購入は5年でいくら違うか

最終更新: 2026年9月4日

カーリース(車のサブスク)の比較記事は「支払総額」で並べたものが多く、条件によっては購入より安く見えます。 ただし家計で考えるときは、毎月いくら出ていくかと5年後に何が手元に残るかを 同じ表に載せないと、比べたことになりません。 この記事では同じ車・同じ期間で3通りを並べ、差がどこから出ているのかを分解します。

比べる条件(この記事の前提)

数字は条件で大きく動くため、先に前提を固定します。

項目設定
車両価格(諸費用込みの支払総額)230万円(コンパクトカー〜小型車クラス)
期間5年(60回)
ローン金利年3.5%・頭金0円・元利均等
リースの金利相当年5.0%(当サイトの参考モデル)
5年後の残価70万円(残価率約30%)
維持費当サイトの参考値。ガソリン9,000円/任意保険5,500円/自動車税3,000円/車検・整備5,000円(いずれも月額換算)。駐車場代は0円で計算

リースの月額は、車両価格から残価を先に差し引いた分を分割し、そこに自動車税と車検・整備の費用を上乗せする構造で作っています。 実在する特定サービスの料金表ではなく、仕組みから組み立てた当サイトの参考モデルです。

表1: 毎月いくら出ていくか

ローンやリース料だけでなく、ガソリン・保険まで含めた「毎月の車費」で並べます。

現金一括5年ローン5年リース
ローン・リース料(月)0円約41,800円約41,100円
自動車税・車検整備(月換算)8,000円8,000円料金に含む
ガソリン・任意保険(月)14,500円14,500円14,500円
毎月の車費約22,500円約64,300円約55,600円

月々の支払額そのものはローン約41,800円・リース約41,100円でほぼ同じですが、 リースには自動車税と車検・整備が入っているぶん、毎月の車費では約8,700円リースのほうが軽くなります。 リースの「月々が安い」と言われる部分の正体は、金利の安さではなく残価を先に引いていることと、 税・車検を月額にならしていることです。

表2: 5年間の支払総額

現金一括5年ローン5年リース
車両・ローン・リース料の支払230.0万円約251.0万円
(うち利息約21.0万円)
約246.7万円
維持費の自己負担(5年分)135.0万円135.0万円87.0万円
5年間の支払合計365.0万円約386.0万円約333.7万円

支払額だけを並べると、リースがローンより約52.3万円安いという結果になります。 リース事業者のシミュレーションが「リースのほうが安い」と示すのは、多くがこの段階の比較です。 ここまでは計算として正しく、間違っているわけでもありません。

表3: 5年後に残るものを入れて並べ直す

見落とされやすいのが最後の1行です。購入なら5年後に車が手元に残り、売れば現金になります。 リースは原則として返却するため、手元には何も残りません。残価70万円を表に足します。

現金一括5年ローン5年リース
5年間の支払合計365.0万円約386.0万円約333.7万円
5年後に手元に残るもの車(70万円想定)車(70万円想定)なし
差し引いた実質負担295.0万円約316.0万円約333.7万円

並べ直すと順番が入れ替わります。リースはローン購入より約17.6万円、現金一括より約38.7万円 実質負担が大きい計算になりました。表2で見えていた52.3万円の差は、 5年後に手放す車の価値を計上していなかったことから生まれていた差です。

もちろん、5年後に70万円で売れる保証はありません。人気車種なら上振れし、 事故歴や過走行なら下振れします。残価をいくらで見るかが、この比較の結論をそのまま左右します。 残価に賭けたくない、値落ちのリスクを負いたくない、という考え方でリースを選ぶのは筋の通った判断です。 同じ「残価を先に引く」構造は残価設定ローンにもあるので、 残価設定ローンのデメリットもあわせて読むと違いが見えやすくなります。

リース料金に何が入っているかを必ず確認する

リースの比較でつまずきやすいのは、含まれる範囲がサービスやプランによって違う点です。 月額だけを横並びにすると、含まれる範囲の広いプランが高く見えてしまいます。

費目含まれることが多い基本は自己負担
自動車税(種別割)○
自賠責保険料○
車検の法定費用○
点検・消耗品交換(メンテプラン)プランによるプラン無しなら自己負担
ガソリン代○
任意保険○
駐車場代○

任意保険は多くの場合リース料に含まれず、自分で契約します。保険料は年齢・等級・車種・補償内容で変わるため、 条件を入れて各社の実額を比べておくと、毎月の見通しが立てやすくなります。 駐車場を借りている場合は、上の表1の「毎月の車費」にそのまま月額を足してください。 月1.5万円の駐車場なら、どの買い方でも毎月1.5万円上乗せです。

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維持費でいちばん削りやすいのは任意保険です。 同じ補償でも保険会社で年数万円変わることがあり、一括見積もりで各社の実額を比べられます(無料)。

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金額表に出てこない3つの条件

逆に言えば、距離を乗らない・期間中に生活が変わりにくい・数年で乗り換える前提なら、 これらの制約は実質的なコストになりません。制約が効かない使い方なら、 税金や車検の出費が読めることの価値が上回る場面もあります。

迷ったときに見る数字の順番

  1. 毎月の車費で並べる —— 支払総額ではなく、ガソリン・保険・駐車場まで足した毎月の金額で比べます。 家計が耐えられるかは、ここでしか分かりません。
  2. 5年後に残るものを表に入れる —— 購入は「車」、リースは「なし」。 残価をいくらで見積もるかを自分で決めてから、実質負担を並べ直します。
  3. 金額以外の3条件を確認する —— 走行距離・中途解約・返却時精算。 自分の使い方でこの3つが引っかかるなら、金額差より先にそちらで絞り込めます。

中古車を含めて比べたい場合は、中古車は新車より本当に安いのかで 同じ形式の総額分解をしています。

このサイトのツール

車両価格・金利・期間・維持費を自分の条件に入れ替えて、毎月の車費と貯蓄への影響を確認できます。

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よくある質問

Q. 結局、リースと購入はどちらが安いのですか。

この記事の前提(230万円・5年・残価70万円)では、5年後の車の価値まで含めると購入のほうが約17.6万円少ない負担でした。 ただし残価の見立てを変えれば結論は動きます。当サイトは安い・高いを判定するものではなく、 同じ条件で並べる方法をお伝えするところまでです。

Q. リースは頭金0円で乗れるのが得ではないですか。

初期費用を抑えられるのは事実で、手元の現金を残せる点は家計上の意味があります。 一方、頭金0円はローンでも選べます。上の表1と表2は両方とも頭金0円で計算しているので、 初期費用の差ではなく仕組みの差だけを比べた数字です。

Q. 契約満了時に買い取れるプランなら、購入と同じですか。

買取可能なプランでは、満了時に残価相当額を支払って自分の車にできます。 その場合の総額は「リース料の総額+残価」で、この記事の前提だと約246.7万円+70万円=約316.7万円。 比べる相手はローンの支払総額そのものではなく、リース料に含まれていた自動車税・車検整備の5年分48.0万円を足した 約251.0万円+48.0万円=約299.0万円です。差は約17.6万円で、表3と同じ結論になります。 買取前提で検討するなら、この足し算で土俵を揃えてから比べてください。

Q. 経費にできるなら法人・個人事業主はリースが有利ですか。

リース料を経費計上できる扱いは会計・税務の論点で、条件によって異なります。 当サイトは家計の視点で計算しているため、事業での取り扱いは税理士等にご確認ください。

次の行動

比較の材料が揃ったら、実際の数字を自分の条件に入れ替えるのが早道です。 車両価格・金利・期間・維持費・駐車場代を入力すれば、毎月の車費と貯蓄への影響が出ます。 リースを検討中なら、リース料に含まれる費目を差し引いた形で維持費を入力すると、同じ土俵で比べられます。

本記事の計算例は簡易計算による目安です。リースの月額は仕組みから組み立てた当サイトの参考モデルであり、 実在するサービスの料金表ではありません。実際の料金・残価・金利・精算条件は事業者と契約により異なります。 本記事および当サイトは、購入の可否や特定のサービスを判定・推奨するものではありません。契約前に必ず見積書と契約書でご確認ください。