車検で20万円の見積もり 直すか買い替えるか
最終更新: 2026年9月18日
車検の見積もりで20万円を提示され、その場で「そろそろ買い替えでは」と言われる。 10年前後乗った車ではよくある場面です。判断が難しいのは、修理費が一度きりの大きな金額に見えるのに対し、 買い替えは月々の数字で示されるからです。単位がそろっていないまま比べると、金額の大きいほうが損に見えます。
この記事でわかること。
- 修理費を「月あたり」に直して買い替えと同じ土俵に乗せる方法
- 修理20万円・中古160万円・新車220万円の月額と3年総額の実額
- 金額だけでは決めない3つの条件
比べる単位は月あたりの車費
修理費と買い替えは、どちらも「これから毎月いくら車に払うか」に直すと比較できます。 20万円の修理は、その後3年乗るなら月5,556円、2年なら月8,333円の負担です(20万円÷36ヶ月/÷24ヶ月)。 ここに維持費(当サイトの参考値で月約22,500円)を足した金額が、直した場合の毎月の車費になります。
買い替え側も同じように、ローンの月々に維持費を足します。 比べる相手は車両価格ではなく、この合計額です。
ステップ1 見積もりを3つに分ける
見積書の合計額そのままでは判断できません。中身は性質の違う3種類が混ざっています。
- 法定費用 —— 自賠責保険料・重量税・印紙代。どこで受けても同額で、買い替えても新しい車で発生します
- 今回必要な整備 —— 保安基準に通らない箇所の修理で、断ると車検は通りません
- 予防的な交換 —— 「そろそろ交換時期」の部品。次回以降に回せる項目が含まれます
20万円のうち予防的な交換が6万円あれば、今回どうしても要るのは14万円です。 14万円を2年で割ると月5,833円、3年なら月3,889円まで下がります。 買い替えと比べる前に、この分解を販売店や整備工場に依頼して項目ごとの金額を出してもらいます。
ステップ2 あと何年乗るかを決める
修理費の月あたりは、乗る年数で3倍近く変わります。20万円をかけた場合の内訳は次のとおりです。
| あと何年乗るか | 修理費の月あたり | 維持費込みの毎月 |
|---|---|---|
| 1年(1年以内に買い替える場合) | 16,667円 | 約39,200円 |
| 2年(次の車検まで) | 8,333円 | 約30,800円 |
| 3年 | 5,556円 | 約28,100円 |
1年で手放す予定なら、20万円の修理は月4万円近い車費になります。 この水準まで来ると、買い替えの月々と大きくは変わりません。 逆にあと3年乗る見通しが立つなら、月あたりの負担は買い替えの半分以下です。
ステップ3 買い替えた場合の月々
買い替え側の月々を、当サイトの計算式(元利均等・ボーナス払いなし)で出します。
| 中古160万円 | 新車220万円 | |
|---|---|---|
| 条件 | 年4.0%・5年 | 年3.5%・5年 |
| ローン月々 | 29,466円 | 40,022円 |
| 利息の総額 | 167,986円 | 201,310円 |
| 維持費込みの毎月 | 約51,970円 | 約62,520円 |
直してあと3年乗る場合(月約28,100円)と比べると、中古への買い替えで月約23,900円、 新車なら月約34,500円が上乗せされます。修理費の20万円は大きな金額ですが、 毎月の負担としては買い替えのほうが重くなる計算です。
頭金を入れると差は縮みます。中古160万円に頭金20万円を入れた場合、借入140万円・年4.0%・5年で月25,783円です。
ステップ4 3年後の状態まで見る
月々だけで決めると、3年後に手元に残るものの差が抜けます。3年間の支払い総額と、3年後の状態を並べます。
| 直して乗る | 中古160万円 | 新車220万円 | |
|---|---|---|---|
| 3年間の支払い総額 | 1,010,000円 | 約1,870,790円 | 約2,250,790円 |
| 3年後のローン残債 | 0円 | 約678,560円 | 約926,370円 |
| 3年後に手元にある車 | 13年落ち前後 | 買い替えから3年 | 3年落ち |
直して乗る選択は、3年間の支払いが約86万円軽く、残債も残りません。 代わりに3年後の車は年式がさらに上がり、次の買い替え原資は別途用意することになります。 買い替え側は支払いが重い一方で、3年後も価値の残る車が手元にあります。 どちらが得かは、3年後にその車を売る前提かどうかで変わります。
損益分岐の目安として、中古160万円のローン月々29,466円に修理費の月割が並ぶのは、 3年乗る前提なら約106万円の修理費です。20万円の見積もりは、この水準からはまだ遠い位置にあります。
金額以外で判断が変わる3条件
月あたりの計算で修理が有利でも、次の3つに当てはまると結論は動きます。
- 修理が繰り返される見通し —— 今回20万円で、翌年また15万円が出るなら、2年での月あたりは14,583円に上がります。整備工場に「次の2年で交換時期が来る部品」を聞いて、金額を先に足しておきます
- 走行に関わる不具合 —— 足回り・ブレーキ・エンジン本体の重い修理は、費用対効果より安全の判断が先に来ます。家計の比較表に乗せる話ではありません
- 使い方が変わる予定 —— 子どもの人数や通勤距離が変わるなら、今の車を直しても数年以内に買い替えが来ます。修理費を割る年数を短く見積もります
車検費用そのものを毎月の積み立てでならしておく方法は、 車検やタイヤ代は毎月いくら積み立てる?で計算しています。
よくある質問
Q. 下取り額が付くうちに買い替えたほうが得ですか
下取り額は買い替えの初期費用を下げますが、毎月の車費は買い替えのほうが重いままです。 下取り20万円を頭金に回すと、中古160万円の借入は140万円になり、ローン月々は25,783円・維持費込みで約48,280円です。 直して3年乗る場合の月約28,100円とは、月2万円ほどの差が残ります。 下取り額が効くのは、今の車の価値が高く残っている年式のうちです。
Q. 車検を通したばかりで手放すのはもったいないですか
車検の残り期間は売却額にほとんど反映されません。ただし法定費用と整備費を払った直後に手放すと、 その支払いを短い月数で割ることになります。買い替えを検討しているなら、車検を通す前に比較を済ませます。
Q. 新車と中古のどちらが総額で軽いですか
車両価格の差は、金利差と整備費でいくらか埋まります。5年総額での比較は 中古車は新車より本当に安いのかで分解しています。
次の行動
- 見積書を法定費用・今回必要な整備・予防的な交換の3つに分けてもらう
- 今回必要な金額を、あと乗る年数(12・24・36ヶ月)で割る
- 買い替え候補の価格でローン月々を出し、維持費を足して比べる